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2015 Passenger of Koganecho / Rhetoric of the branch 黄金町通路_成果/ 枝のレトリック

 
Mar.07-Mar.22 @KOGANECHO AREA MANAGEMENT CENTER / Site-A Beneath the Railways, Yokohama
artist_Atsuko Nakamura / Hiroko Okada / Yuya Obata / Moena Kubo/ Koji Sekimoto / Naoki Yoshimoto
artistTalk_03.22 Sun.17:00 主催:黄金町エリアマネジメントセンタ 
 
「枝のレトリック」
関本幸治は写真作品になる前の撮影セットを自然史博物館のように展示。次回グループ展「像形人間」でその写真を展示。
 
 
 
 




































2015 Poetic Iconography / Stuffed human 詩的図像学/ 剥製の人間

 
 
The University of Yamanashi Commissioner for Cultural Affairs/ Gallry link project
山梨大学 芸術文化推進事業ギャラリーリンクプロジェクト
Feb.19-Mar.01 / @ GALLERY the GALAXY, Kofu, Ymanashi
coordinator: Isaka Kenichiro/ anoter artist: Iwasaki Hirotoshi, Kasahara Izuru
artistTalk_02.21 Sat.14:00_ Tokyu Inn Motoazabu Gallery KOFU
 
主催:国立大学法人 山梨大学 教育人間科学部
後援:山梨県、山梨県教育委員会、甲府市、甲府市教育委員会、山梨日日新聞社、山梨放送、テレビ山梨、
エフエム富士、朝日新聞甲府総局、読売新聞甲府支局、毎日新聞甲府支局、ギャラリーイノセント、
東横イン元麻布ギャラリー甲府、ギャラリー ザ ギャラクシー
 
「硝子の縁:剥製の人間」
芸は実と虚の境の微妙なところにあり、事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実がある
虚と実が解け合う場所では「縁(ふち)」のみが現実として思われる。そんな思いで
タイトル「硝子の縁」とつけた。新作1点、旧作、10点を展示。
 
 



























































2014 Photo Studio Chair / Bahamichi Shoei Biru, BankART Studio NYK

 
 
Aug.01-Nov.03, 2014
Dream of East Asia / Landmark Project V /Bahamichi Shoei Biru, BankART Studio NYK, Yokohama
東アジアの夢:Landmark Project V /写真館の椅子/馬車道商栄ビル壁面,BankART Studio NYK,横浜 横浜トリエンナーレ連携プログラム
 
 
 
 

「写真館の椅子」
 
 
 写真が日本にやってきたのは幕末ごろと言われ、明治にかけて人々の間にもその存在が定着していった。当時は現在と比べ感光材がよくなかったため、撮影の際カメラの前で何十秒間か動かないようにしなくてはならなかった。顔は動かさなくても眼球を動かしてしまい、黒目のない写真ができあがり、リタッチをしている古写真をよく目にした。写場(写真館)の椅子は撮影に不可欠な道具だった。写真術は未知の技術であったろうし、全く同じ形のものが転写されるのだから、動かないように硬直している何十秒間に心がざわめき、様々な思いを想像し、巷では妖術であり魔術だのささやかれて「魂を抜き取られる」と考えるのも無理はない。撮影される人が直接触れられた椅子は、カメラ以上に時間を静止させる道具であり、魂を抜き取る道具だったかもしれない。心を揺れ動かし、人と心を切り離す革新的な道具が「写真館の椅子」である。
 
 かつてカメラは写真鏡と呼ばれていたが、その言葉の他に印影鏡、直写影鏡、留影鏡ともいわれた。人の姿を意味する「影」という言葉の採用には、写真の歴史が肖像写真から始まったことを示している。「人を写しとるではなく人の姿の影を写しとる」そう解釈して今回の椅子に寄り添う家族(姉妹)を制作。塑像された群像写真なので人間ではないので魂などない。人の姿をした塑像からは、何を抜き取ることができるであろうか、、、かつて椅子に座り心が動かされた心の葛藤を推測すると、過去の時間を旅しているようで興味深い。(、、続く)
 
 


 

 
 
 
 
 
 
 
 


 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

2014 The Fairy Without Wings / TRAUMARIS|SPACE , Tokyo

 
Feb.05-Mar.02, 2014
(Part of the associated program of the Yebisu InternationalFestival for Art & Alternative Visions 6th) 
第6回恵比寿映像祭 地域連携プログラム 関本幸治 展 TRAUMARIS|SPACE
羽のない妖精 2005〜2013制作 映像作品 Sound : elfish echo (album :antinoia title:parasceptical antinoia 4:45)
 
スタジオワークスではない自然の中、フィンランド:フィスカルス及び山梨:白州にて撮影した作品。写真でパノラマ撮影した写真を、右から左へゆっ
くりパーンしていく動画に変換した映像。
 
 
 

 
「羽のない妖精」
 
 私の心臓は張り裂けそうだった。透き通った肌が唇と頬の赤みを際立てていた。それは人のように見えるが何かが違う。私に霊感があるわけではないし、足があったからお化けではないはずだ。近づこうとすると木の陰に隠れ、少し離れた木の影からまたこちらを覗く。
 
 
 昨年のまだ猛暑の残る九月、六甲山を登った。この地を訪れたのは30年以上も前である。それと同時に子供の時の記憶が呼び起こされた。これは誰にも言わなかった六甲山でのある事件である。当時10歳くらいの私が、誰にも言わず、ずっと心の中に隠してきたことなのである。それを今ここで打ち明けようと思う。
 
 阪急六甲にある祖父の家に遊びに行き、私と兄と母とで六甲山に登った時の話である。その当時も同じ頃の季節だった。六甲山牧場でウシとヤギと戯れ、ソフトクリームを食べた。その後、植物園に行ったとき、私は兄と母とはぐれてしまった。その時、林の中に何かが見えた。白いシカか何かの動物だと思って、私は林の中にその後を追った。そこに見えたのは、白っぽい小さな少女だった。
 
 不思議な体験であった。その数年後になって妖精というという言葉を知ったが、本で見るような羽はなかったし、今思うにアリエッティほど小さくない。子供っぽい空想力で作り話をしているわけでない。いたのだ。子供ながらにこの話を他の人にすると、嘘つき扱いされると思い、大切に心の中に秘めてきた。「見えるべきものでない何か」が存在した。その頃は、木曜スペシャル全盛期の時代ではあったが、やらせではなく小人を発見したのだ。
 
 地球に生命が誕生して37億年といわれている。これまで人類によって発見された生物は百数十万種を上回る。 だが現代において、いまだ発見されていない生物は800万種以上と言われており、地球全体の15%の生物しか確認されていないそうである。 そして毎年3000種以上の新種生物が発見され続けている。
 
 今回の作品は「羽のない妖精」を証言するため、再現写真/映像を制作した。昨年六甲山に行った時に、それをふと思い出した。出会ったその彼女は最初悲しそうな表情を浮かべながら、ちょっと姿を見せたり隠れたりしていた。最後に見えなくなる前に、少しだけ微笑んだように思えた。
 
 


 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2013 The Secret Base under the Table / BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2013 /

July.12-July.21,2013

BankART Studio NYK、Yokohama
「テーブルの下の秘密基地 」
BankARTにて2ヶ月間のレジデンスをしたのちに作品を展示、撮影セットを見せレジデンスならではのプロセスも見れるようにした。本展では、写真小作品14点を展示した。滞在中に一作品 「テーブルの下の秘密基地 」を完成。
 
 

「テーブルの下の秘密基地」
 
 子供の頃に基地を作ったことはないでしょうか?
 
 私の生まれた子供のころの神戸/垂水は ベットタウンと第二次ベビーブームを伴って 友達にことかかなかった 沢山いるが故 野球して遊ぶ時以外は少人数で遊んでいた 遊びの中でもいたずらをよく楽しんだ 公園に全く継ぎ目の見えない落とし穴を作ったり マンションの対面同士の二軒ピンポンダッシュをしたりした もちろんこっぴどく大人から怒られたのは言うまでもない あらゆる発想を駆使し できる限りの笑えるいたずらを仕組んだ その一環で密やかな企みをもったのが 「基地」である 住んでいる近くの団地の駐車場があった といっても今のようにアスファルトではなく でこぼこの地面に黄色いロープを埋め込んで境界線を引いているが 原っぱといってもよい そこの裏手に崖があり 木が生茂っているそこに基地をつくることは恰好の場所である 
 
 先ずは友達との探検である 何度かカマキリを捕まえに行った場所であり卵を生むのを見たのもここである 硬そうな棒を片手に 引っ付き虫はよいとしても イネ科の葉っぱで足を傷つけないように ウルシの葉を触らないように前に進んだ 
 
 少し下ると 四方茂みに囲まれた小さなバラック小屋があった 茶色い波トタンでできていて入り口の扉があった ただここに来るための道など無い 何かの物置か? と見渡すと電信柱から奇妙な感じで電気を引き込んでいる番地も表札も無く 電気水道のメーターもない 考えても謎が深まるのでドアをあけて中を覗いてみよう と友達になげかけた なすりつけ合いながら言い出しっぺの僕が戸を引いた 
 
 鍵は空いていた もともと無かったのかもしれない トムソーヤの冒険でインジャン・ジョーの洞窟のシーンを読んだときと同じくらいドキドキして扉を開けた 部屋はかなり狭いが生活しているようで 中には薄汚れた家財道具がぎっしりあった よく見ると中には人がいた
 


 

 

 
 
 僕たちより少し年上の女の子である お互いビックリして声が出なかった小ぶりのテーブルがあり そこの下で遊んでいたようで 散らかった小ものがあり テーブルの下の彼女の基地に見えた この部屋の狭さからすると そこしか彼女の遊び場所がない といった風にも見えた 僕たちは扉を閉めること無く 一即座に駆け出し その場から逃げた 
 
 未だに彼女の顔を忘れられない 硬直した表情と共に悲しそうな感じだった 我々は罪悪感を感じ それから暫く基地計画は頓挫した 彼女の家なんだろうか? 道が全くないのに? 親はいるのだろうか? あそこは部落だったのか? 色なことがわからないまま フワフワした感覚と時が流れた
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 

 
 

 
 

 
 
 
 
 

2012, 2013 PHotoEspaña 2012 / Asia Serendipity 

 
Teatro Fernán Gómez / Madrid, Spain: June 06-July 22, 2012
Sala de exposiciones San Benito, Valladolid, Spain: January 19 – March 3, 2013
La Térmica, Málaga, Spain:September 27 – December 15, 2013
 
Artists: Yuki Aoyama / Kana Honda / Miwako Iga / Yasushi Kohno / Kohei Koyama / Chiho Miyamoto / Kazem Mohammed / Pushpamala N / Sohei Nishino/ Hiroshi Nomura / Hideyuki Ohba / Sherman Ong / Gina Osterloh / Koji Sekimoto / Lu Yao
 
第15回フォト・エスパーニャ2012 「アジア・セレンディピティ 」スペイン・マドリッド/フェルナン ・ゴメス劇場 他巡回
 
 
 
 

ヨーロッパ最大の写真芸術の祭典「第15回フォト・エスパーニャ2012」が、スペイン・マドリッド市内の60にも及ぶ様々な展覧会会場、美術館、劇場、ギャラリーで開催。スペイン文化庁、マドリッド市、地域、政府と多くの個人的な支援の中、総合デレクターであるヘラルド・モスケラの掲げた”FROM HERE. CONTEXT AND INTERNATIONALIZATION” のもと、フェルナン ・ゴメス劇場では、南条史生氏が「アジア・セレンディピティ」という展覧会を行う。「何もないところからイメージをつくりだす」アジアの写真家15名で構成されている。本展では、大型写真作品6点を展示した。その後スペイン国内2箇所での巡回展。
 


 
 
 


 

 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
Photo:Junko Takahashi
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2012 Another I

Sep, 8 -Sep, 30 2012

KOJI SEKIMOTO SOLO SHOW
CAP STUDIO Y3, KOBE
助成 公益財団法人神戸文化支援基金 協賛 キヤノン株式会社 
 
 
 
 

「もうひとりのわたし」 
 
本展は関本幸治の出身地での初の展覧会となる。私の叔父はブラジルへ移住した経験があり、移住センターを再利用している本展会場との関わりは深い。その会場に1ヶ月間滞在して、「過去を旅する」をテーマに公開制作を行った。「作品は見る人の心を表す鏡であり、次元を越える扉である」を今回の展覧会のテーマとし、公開制作による新作と、テーマに沿ったこれまでの20点以上の作品群によって会場構成する。またアーティストトーク、子供向けのワークショップ 「カメラの中に入ろう」も行った。
 


 

 
 


 

 
 
 
 
 

 
 


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

2011 Choosing clothes for my journey

2011.Aug.01-Dec.06

KOGANECHO Bazzar 2011/Hatukou area, Yokohama
主催:NPO 法人黄金町エリアマネジメントセンター/初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会 共催:横浜市 後援:神奈川県/公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/公益財団法人トヨタ財団 協賛:京浜急行電鉄株式会社/アサヒビール株式会社/アサヒ飲料株式会社協力:キヤノン株式会社、un:ten、えりさん



 


 
「旅のための洋服えらび」
 
装い自体で街の中身も変わっていくように、旅に行く時の洋服選びのように、少しおしゃまな、知らない世界のあこがれと不安を持って冒険する。意識、記憶、知覚、思考、感情を日常の抑圧から心的解放させる自我の葛藤(コンフリクト)を表情として描き出す。旅はきっかけであり、服は変態(メタモルフォーゼ)させるものとしてun:tenがの服を制作。写真及び新たに映像という表現手段も含め、写真と撮る為に作ったセットと作品を点在させ黄金ー初音エリアで作品を見にきた観客の動線を作ることにより、この街づくりを感じてもらう。映像は少し動く写真動画に自作のシナリオを朗読してもらい、インスタレーション作品として展示。
 

 

 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

2011 DreaManager/DreaMachine-made

2011.3.27 sun-4.2 sat

 
"DECWAS" Shizuoka x Bremen art Project 2011 / Mackenzie House, Tokuganji, Gallery Psys, Shizuoka
協力*キヤノン株式会社、株式会社協同商事コエドブルワリー
 

日独交流150周年静岡・ブレーメン国際交流PROJECT 
静岡県在住のアーティストとブレーメン州在住のアーティストによる交流展。2012年にブレーメンでの展覧会に参加予定。日本での展覧会は3会場あるうちの徳願寺で展示。山の上にお寺があり手前に菜の花が一面咲いて静岡の街を見渡せ、奥には富士山も大きく見えるお寺。座禅堂という場所で展示。モデルさんの持つ無意識な感情を表現。様々な角度から撮影し、物語性を感じさせるようにした。













































2010 Looking for the Ring/DreaMachine-made

2010.Sep.10-Oct.11

KOGANECHO Bazzar 2010 / Hinode_Ryugu, Yokohama
主催:特定非営利活動法人黄金町エリアマネジメントセンター/初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会 共催:横浜市 後援:神奈川県、台北駐日経済文化代表処/在京タイ王国大使館/公益財団法人横浜市芸術文化振興財団  助成:平成21年度「地方の元気再生事業」/財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団 協賛:京浜急行電鉄株式会社/アサヒビール株式会社/アサヒカルピスビバレッジ株式会社
 
 
 

シリーズ作品の「DreaMachine《ドリームマシーン》」は「夢が現実と同じ次元に存在する装置」を意味し、過去の記憶や無意識下に隠された感情が存在する現実と、眠りの中で日々生み出される夢が一体化した状態を作る装置。展示場所である日ノ出竜宮の一部屋に取り残されていたおもちゃや様々な生活用品から、かつてこの場所に住んでいた姉妹の過去と現在の世界を空想し、空間を作り上げた。その空間に潜む人の心の光と影を撮影。本展では、新作の写真作品と撮影をするために設置したインスタレーションを展示。
 


 


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 

2008 The Backwards Clock in the Mirror

2008.Sep. 09-Oct.28

artothek Raum für junge Kunst Kölnisches Stadtmusseum, Cologne
協賛:ケルン市、財団法人野村文化財団
 

ドイツ・ラインランドの中で若手作家の登竜門的な、ケルンドームの脇にある中二階のアーチが美しい美術館での展示。壁には時間が反対に回る柱時計を制作し、過去に制作した作品7割程度250点以上の写真作品を展示。1Fは大型新作写真、2Fは旧作品。写真という素材を使って表現する十年という節目での回顧展。


 

 

Photos: Alistair Overbruck

 

 

 
 
 

 

 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 
 
 
 

2008 Exhibition from HOMAM

2008.Mar.02-Mar.16

Home of Mac and Millie, Shizuoka
協賛:静岡市文化財団

旧マッケンジー邸に残されていた古いアルバムに興味を持ち写真作品一点とインスタレーションを展示。テーブルの上にアルバムの笑顔の写真群を展示。アルバムの中の写真には沢山の笑顔があった。アルバムを本棚に羅列し、壁には時間が反対に回る柱時計を制作し展示。写真の中で笑顔のない少女をモデルとして、私の作品の中では「その少女が少し笑い出す」そんな写真作品を制作。スマイルネックレスの原型となる作品。
 
 
 


 

 


 
 

 

 

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

2007 Exhibition from HOMAM

 

2007.Mar.03-Mar.18

Home of Mac and Millie, Shizuoka
協賛:静岡市文化財団
 

「1924年のミリーの鏡 - 笑う練習」
 
 海岸沿いに建つ白い壁が美しい旧マッケンジー邸での展覧会。お茶の貿易商マッケンジー氏とエミリー夫人の住まわれた洋館での展示となるため、夫人の三十歳代後半をイメージして制作。資料をもとにして時間軸を写真の中に取り入れている。手前の後ろ姿は五十歳代、鏡の中は三十歳代、森の中に花を持った少女の頃のエミリー夫人。愛称としてのミリーをタイトルに使用。
 夫人はクリスマスの時期にはいつも子供達をこの邸宅に招待した。クリスマスの前日は家中に花を着飾っていた。その前日をイメージして写真と詩を制作し、二階南側の海の見える化粧室の鏡に展示した。
 
 
 
 
私は何時しか鏡の前に立っていた
ここに来る子供達の笑みを真似るように
 
以前 夫と神戸港に向かう船の客室に 蝶が舞い込み
それとなく眺めながら ここにいさせようと思った
ほどなくその蝶は客室を離れ 甲板に向かっていった
私たちは蝶を追って船尾にあがると 
日差しと風が 白くブラウスを膨らませた
さまよえる蝶は 私たちの目の前を通って
太平洋の海原へ消えていった
遠く 遠く
羽ばたくのを止めたとき命はつきる
蝶が休む場所が海の上にあるのか心配したが
花輪を冠り 蝶を乗せて泳ぐクジラを想像してみた
子供の頃から好きだった空想である
そして何処までも続く水平線をぼんやり見つめていた
 
私は何時しか鏡の前に立っていた
鏡の中の私の笑みを真似るように
 
 
1951年12月23日
 
 
 


 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

 

 
 
 
 
 
 

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